【頼山陽】狂瀾を記す、絶唱の檻|北河内呑兵衛

江戸の空が、これほどまでに狭かったことはない。 広島藩の儒学者、頼春水の息子として生まれた久太郎――山陽は、幼い頃からその才を謳われていた。しかし、その内側に流れる血は、整然とした朱子学の教えに収まるほど冷えてはいない。二十一の年、彼はすべてを投げ打って脱藩した。行き先は京都。文化の薫り高い都で、己…