【富田長繁】凍土の業火|北河内呑兵衛

天正二年一月。越前の空は重く垂れこめ、凍てつくような雪が混じっていた。 府中領主、富田長繁は一乗谷を見下ろす丘の上で、己が巻き起こした「うねり」を眺めていた。視界を埋め尽くすのは、竹槍や鎌を掲げた数万の群衆である。彼らは地鳴りのような喚声を上げ、かつての主家・朝倉氏の栄華の跡を蹂躙していた。 「見ろ…