“国語力”議論の空疎 『映画を早送りで観る人たち』|マエダ

 稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』(2022年・光文社新書)  昨年話題になった本書は、「映像作品を早送りしたり10秒スキップで見るとは嘆かわしい」みたいな話ではないですし、単純な世代間論争や特定世代への印象批判でもありません。その発生機序や背景に焦点し、今後のメディア論展望の見通しをもたせるような内…