インシデンツ(8)|mstk
「ところで、野原さん」とハナホウ・ジローは言った。 「あなたはその依頼主の方の父親が誰かあたりをつけていらっしゃいますか?」 ぼくはハナホウ・ジローから受け取ったメモから目をあげる。 「いえ。ただ、今回の依頼主も韓国にルーツがある方なんです。ですから、テディ金山が父親かもしれないとは勝手に思い込んでい…