【時雨こぼれ話⑥】三上於菟吉という男<3> ”三上於菟吉と純文学”|中島 桃果子 / Mocako Nakajima

「僕生まれてたった一枚でも、いわゆる身辺作家の悪作のような、意味はもとより、面白ささえないものは書かなかった。 僕は諸君のために、風癪して、路傍に裸おどりをしてみせ、満都の哄笑を買うことに得意を感ずるが、自己弁護の告白小説を書いて、鼻汁に染んだ紙を諸君の食膳の前に並べて見せるような陋態(ロウタイ)だ…