【短編小説】頭蓋骨に問う|千羽はる(ChibaHaru)
シャーロックホームズは、暖炉の上に置いてあった頭蓋骨代わりにワトソンを傍に置いた。 沈黙の時間を得た相手と話すことは不可能だ。 弓をゆっくりと的に絞るように、引き金に指をかけて対象のみに意識を向けるように、自分の言葉を徐々に徐々に狭めていくための方法だったのだろう。 眼窩に居座る暗闇をじっと見つめ…