【短編小説】ぼくらは呼吸をしている。|千羽はる(ChibaHaru)

ぼくらは呼吸をしている。 すぅっと冷たい空気を吸って、はぁっと暖かな息を吐く。 「どうしてみんな、息を吸うときにお腹をへこませるの?」 ある日、音楽の先生がそう言った。ぼくらの合唱の声が小さかったから。 僕は焦った。 どうして僕らはお腹をぺこりと平べったくしてしまっていたんだろう。ご飯を食べれば膨…