情念の一義性―フーリエ情念論とスピノザ並行論の偶然的結合、あるいは愛の新世界を生きるためのエチカについて|プロジェクト・メタフィジカ
§1 フーリエの自然主義 本稿は、17世紀オランダの哲学者バルーフ・デ・スピノザ(1632-77)を補助線に用いることで、19世紀フランスの社会思想家フランソワ・マリー・シャルル・フーリエ(1772-1837)の情念論を実践哲学として再構成する試みです。なぜ、スピノザとフーリエか。端的に述べれば、両者の思想的核心を表す…