後白河法皇㉚|坂本晶の「後悔するべからず」

(ふむ……) 後白河法皇は考えた。(これで重衡が、義経に対抗するのは自分しかおらぬと思うておるのはわかった。また三種の神器が戻るなら、試してみる価値はあるであろうな) 「平家は屋島におるのだな?」後白河法皇は尋ねた。 「は、左様で」 「康信よ」 後白河法皇は命じた。「交渉に行かせるがよい。ただし重衡…