【短編小説】天使の家出先に選ばれました|ささざめ
金曜日の午後三時。ようやく一息つけるタイミングだった。 画面の向こうで先程まで点滅を繰り返していたチャットアプリの通知が一段落したのを眺めながら、俺は椅子の背もたれに身体を預けて深く伸びをする。 次の会議はたしか四時。自分の作業も一段落ついたし、ちょっとベランダに出て外の空気でも吸ってこようか―…