【短編小説】クラムボンの夢|ささざめ
寝付けない夜が続いたある日、私は、自分がクラゲになった夢を見た。 ただ、ぷかぷかと、揺蕩う私。海の中は、想像のそれより、もっと真っ暗だった。 ふよふよと柔らかな身体に波が打ち付けて、それだけで身体が崩れ去るような、そんな不安を覚えたけれど、いつの間にかただその身を波に預けるようになっていた。 …