『人形館の殺人』 片付かぬ、館|くわっち

顔のない人形が、家の中にいる。 『人形館の殺人』は、異物が「生活」の中に紛れ込んでいる物語だ。 玄関を開けると、そこに人形がいる。慣れるわけがない。 廊下にもいる。視線は合わない。顔がないからだ。 主人公の飛龍想一が相続した京都の屋敷は「緑影荘」。 通称「人形館」。芸術家だったという亡き父が作ったマネ…