「つくし狩り」|前田将多
十九才の男を、少年というのか、青年なのかは微妙なところだが、少年は少年時代にあっても自分を少年などとは思っていないものだ。 少なくとも彼は、大人になる準備はできていると考えていた。 清介は一浪ののち大学に入るとすぐに実家を出て、ひとり暮らしをはじめたいと思った。 「セイちゃん、大学にはうちから通える…