【短歌】月に寄せて|瑞木理央 〜水の領域(短歌と詩)〜

目を閉じて息を澄ましてこの夜と一つになってゆく闇の肌 メランコリアの月はお菓子を食べ過ぎてほろんほろんと降る粉砂糖 魔女の肌色の今夜の月だからケチャップまみれにするオムライス 銀の屑しゅらしゅら砕け降る夜の銀の欠片でみずうみを買う 木枯らしが月の鏡を磨くからぼくら仄かに光っているね 棄てられたピア…