【連作短歌】地下劇場の王国より|瑞木理央 〜水の領域(短歌と詩)〜

パペットの糸切れたあとその瞳(め)にはひかりが宿る やがて開幕 観客がわたし独りの劇場に轟きわたるオラクルの蒼 道化師がバビブベぼくの鼻先で告げる世界をはみだす呪文 真実は劇薬だからすこしだけ朝のスープにそそいであげる 錆びついたメロディーよりも熱い嘘 過激なほうを取り分けるから 托卵の歌とき放て…