ネパール記(終)「レクサス」も「オリーブの木」をも掴む世界に身を置いて

地方に向かうバスのなか、二車線の狭い道路を対向車と擦れ違う度に恐怖心から思わず「うっ」と呻き声が上がる。このバスは少しでも接触すれば、数百メートル下に落下してしまう。慣れない当初は常にこの恐怖心との戦い、余りに体に良くないため、瞼を閉じることにし、視界を一度、暗闇にさせる。光が入ったときに何事も起…