また逢う日まで|角田文人(休)

二人で暮らしてきたこの家も、今日で最後。 「忘れ物、無いよね?」 最後の確認。 「戸締りオッケー」 二人で鍵を閉めて。 「捨てちゃって、いいよね?」 表札も外した。 「鍵は?」 このキーホルダーは……どっちのだっけ? 「俺がまとめて返しとくよ」 「そう、お願いね」 キーだけを受け取る。 改めて見ると…… 「なによ…