壁のオトコ|サヤマ

それはある夏の日、蒸し暑い夜中の出来事だった。 いつもと同じ時間に、同じように布団に入り、同じように眠っていた日のこと。 夜中にふと目が覚めた。少し体が汗ばんでいるように感じた。 「少し水でも飲…」 気づくと、目の前の壁にオトコの顔が浮きあがっていた。 まだ布団の上に寝転んだままの僕は、目の前の…