父の話|Keisuke Takahashi

 古い写真を眺めている。  ソファに、私と父が並んで座っている。黒のシャツを着た私は18、パジャマ姿の父は47。大晦日の夜なので、二人とも酒で顔が赤い。  この夜のことは何となく覚えている。写ルンですのフィルムが余っていたから、せっかくだから撮ってくれと、姉にお願いしたのだ。  父は疲れていたのか酔…