穏やかな殺人(後編)|水流苑まち(つるぞの・まち)

 泣き止んではまた嗚咽し始める、ということを幾度も繰り返しているうちに、頭がぼんやりしてわけがわからなくなってきた。  三回目に涙を拭った時、彼がどこからともなく持って来た白い包み紙を私に手渡した。 「知り合いの漢方医に処方してもらった精神安定剤なんだ。気持ちが落ち着くから、よかったら飲んで」  手の…