およそ365日のひそやかな戦争|斧田 小夜|note
三十五日目、電話がなった。君からだ。 りん、と澄んだ音を立てて空気が震える。水が毀れる時のような繊細な音はたった一度だけ鳴り、そして静かになる。その音が、君が私に生きていることを知らせるたった一つの方法なのだと、私は知っている。 表題作及び未公開作を含む短編五本詰め合わせパックです。各作品は投げ銭形…