ワセジョという幻影|嘉島唯

きまじめで融通がきかず、きさくでけなげできかん気で、なまじ男子よりもあたま回転がはやいものだからバカを愛でることを知らず、かといって個性と特性と天性をくべつできるほどの世知もなく、理想のなにものかになれるものなど学年にひとりいるかいないかなのに、このわたしこそがひとかどの人物にならなければいけない…