古本夜話1065 蛯原八郎『明治文学雑記』

大正から昭和時代にかけての近代出版業界の成長、及び近代文学とその出版の隆盛を背景とし、大正八年に東京古書組合が発足する。それとパラレルに高木文や斎藤昌三といった近代書誌学の礎石となった人たちが出現してくる。そして当然のことながら、彼らの衣鉢を継ぐ人々も登場するのである。 その一人が蛯原八郎で、昭和十…