古本夜話1218 堺利彦訳『哀史梗概』

堺利彦の死と同年に刊行された中央公論社の『堺利彦全集』は、その短期間の準備と編集にもかかわらず、多彩な堺の仕事と業績を俯瞰するようなかたちで、見事な全集として編まれている。 編集者の荒畑寒村は「翻訳は全部を割愛し」、翻訳小説も「特に興味の深いもの又は特別に苦心の払はれたもの三四編を収録」と述べていた…