古本夜話1262 藤沢桓夫『新雪』と南進論

前回の改造社『プロレタリア文学集』に藤沢桓夫の名前があることは意外に思われたが、「生活の旗」を始めとする七つの短編を読んでみると、彼がこの時代において紛れもないプロレタリア作家だったことを実感した。 藤沢のことは『近代出版史探索Ⅱ』283でふれているし、その『大阪自叙伝』(朝日新聞社)も読んでいるけれど…