古本夜話1352 宮嶋資夫『遍歴』と古田大次郎『死の懺悔』

宮嶋資夫の『遍歴』におけるアナキズムから仏門への転回点をたどってみると、その発端は関東大震災から昭和初年にかけてのことだったと思われる。 実際に『遍歴』のタイトルが物語るように、宮嶋はこの自伝的著作を「巡礼と遍歴」の章から始め、関東大震災から昭和初年にかけては、「大震災・虐殺」「死の恐怖」「禅門に入…