古本夜話1516 萩原朔太郎個人雑誌『生理』と椎の木社

続けて室生犀星にふれてきたが、萩原朔太郎のことに戻る。朔太郎は昭和八年に個人雑誌『生理』を創刊し、詩、アフォリズム、エッセイ、評論を寄せ、『郷愁の詩人の与謝蕪村』の連載は蕪村の再評価を促すものだった。これは『近代出版史探索Ⅱ』370でも言及している。ただ『生理』のほうは朔太郎の趣味性が強い雑誌だったこ…