ガボリオ「ルコック探偵」(旺文社文庫) フランスの最も初期に書かれた探偵小説のひとつ(1869年)。ありふれた強盗殺人に隠されたフランス革命以来の確執。

パリのうらぶれた居酒屋で深夜、銃声が聞こえる。駆けつけた警察官のみたものは、3人の男の死体と銃を持った一人の男。容疑者は自分が行ったことだと説明した。誰もがありふれた強盗殺人事件と考えた。しかし、野心に燃える若い警官はその事件の背後に隠されたことがあるのではないかと考える。足を折った警視総監は療養中…