odd_hatchの読書ノート
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椎名麟三「永遠なる序章」(新潮文庫) 占領下日本の復員軍人たちのニヒリズムと「終戦」のトラウマ。
昭和23年のベストセラーとのこと。日本は占領下で、ドッジラインの財政均衡政策のおかげで景気は上向かず、農業の生産性もあがっていないので、誰もが貧しく空腹だったという時代。この小説の中でも、食料切符制とか頻発する停電とか、当時の状況が点描的に描かれている。作者は抽象的な思考をする人なので、読者が時代背…