フランス古典「トリスタン・イズー物語」(岩波文庫) 中世最大の悲恋物語を19世紀詩人が復刻すると独り言と内話をする近代人の不倫物語になる。

「トリスタンとイゾルデ」のバリアント。今度はフランスの場合。 「愛の媚薬を誤って飲み交わしてしまった王妃イズーと王の甥トリスタン。このときから二人は死に至るまで止むことのない永遠の愛に結び付けられる。ヨーロッパ中世最大のこの恋物語は、世の掟も理非分別も超越して愛しあう情熱恋愛の神話として人々の心に深…