ジョルジュ・シムノン「雪は汚れていた」(ハヤカワ文庫) 存在の退屈を持て余した若者が逮捕監禁されたときに生の意味を見出す。

大状況が全く書かれていないので、断片的な情報から推測するしかない。フランク・フリードマイヤーが16歳の時に町は占領され、今では19歳というから1942年なのだろう。登場人物の名前はゲルマン風だ。しかし、この「本格ロマン」がフランス語で書かれているところからすると、たぶんフランス北部かベルギー(作者はベルギー…