パトリック・クェンティン「二人の妻をもつ男」(創元推理文庫) ブルジョア階級におこる家族は犯罪に巻き込まれ不安にさいなまれ、父権が失墜する。

「ビル・ハーディングは、現在C・J出版社の高級社員として社長の娘を妻に迎え、幸福な生活を送っていた。ところがある晩、偶然に前の妻、美人のアンジェリカに会った。この時からビルの生活には暗い影がさし、やがて生活は激変し、殺人事件にまきこまれていく。英米両国の全批評家絶賛になる、新しき古典ともいうべき作…