大江健三郎/筒井康隆/井上ひさし「ユートピア探し物語探し」(岩波書店) 50代の作家が自分の小説の方法を語り合う。

1980年代前半は自分にとっては文学において懐かしい時で、1981年大江健三郎「同時代ゲーム」*1、1982年井上ひさし「吉里吉里人」、1984年筒井康隆「虚航船団」の初出にいあわせて、ほぼ同時に読み大いに感銘を受けたのだった。 さて、この本は上記3名の鼎談集。なぜこの3人が集まったかというと、岩波書店が大江や山口昌…