フリオ・コルタサル「悪魔の涎・追い求める男」(岩波文庫) 中南米という場所への偏執はないパリ在住アルゼンチン作家による「ふしぎ小説」。

コルタサルは1914年生まれ1984年没。ベルギー生まれで両親の住むブエノスアイレスに戻る。戦後にパリにわたり、生涯をフランスで過ごした。この短編集でしか知らないので、断定するのは危険だけど、ほかの中南米の作家ほどに中南米という場所への偏執はない模様。そういう神話的な場所やアニミズムのような自然認識はさほ…