荒井献「トマスによる福音書」(講談社学術文庫) 原典に基づくグノーシス派の解説。

一般にはイエスの死と復活は歴史の果てで実現する最後の審判から「神の国」への入来までを準備するものとされるが、別の解釈ではイエスの死と復活によってそれまでの悪霊・罪・死の力が取り払われて、彼を信じることによって死後直ちにキリストのもとに赴くとされる。後者の解釈の場合重要なのはイエスの業ではなく言葉(…