「新約聖書外伝」(講談社文芸文庫) 2~6世紀に作られた正典に収録されなかった大衆文学と異端思想の文学表現

キリスト教の教義を書いた文書は紀元60年ころからできて、教団ごと・言語ごとに多数できた。そこにはキリストや弟子の名を使って、ユダヤ教やグノーシス主義などほかの宗教の思想が語られるものがあった。そのようなキリスト教と異なるが似た言葉を使う集団が多数できたので、2世紀ころから正統な解釈が必要になり、数回の…