入江徳郎「泣虫記者」(春陽文庫) 公助がない時代のサラリーマンはインサイダーグループを作って便宜を図りあうが、余所者にはハラスメントをする。

作者はジャーナリスト、ニュースキャスターで、1960年代に「天声人語」を書いていたこともある(へえ)。文庫にまとめられたのは1961年だが、1952年から断続的に描かれていたみたい。なるほど、明神礁がでてきたり(1952年のできごと)、戦争孤児の行く末が書かれていたりしたのは、まさに進行中の出来事であるためか。 都…