堀田善衛「方丈記私記」(新潮文庫、ちくま文庫)

作家が学生時代(戦時中)から読み続けてきた「方丈記」。戦後25年目に、中世の勉強の成果を含めて読み直す。長明の時代は平安末期から鎌倉幕府成立ごろで、住んでいた京都は荒れに荒れていた。政治と経済がだめになって末世を肌で感じている。戦争末期も同じく都市は荒れに荒れていた。二つの時代をつなぐのは 「やはり戦…