リリアン・ヘルマン「ジュリア」(ハヤカワ文庫) かつて出あった人々のスケッチ。でも、主人公は彼女自身になる。

リリアン・ヘルマン(1905-1984)の回想は「未完の女」でアウトラインが描かれている。こちらの「ジュリア」は8つのパートに分かれて、「未完の女」で触れられなかったエピソードがつづられる。「未完の女」には、ヘルマンが「ハメットの伝記を書きたい」というとハメットは「ダシールという友人が時々出てくるリリアンの…