ジャン・ラマルク「動物哲学」(岩波文庫)-1 著者の主張は、複雑なものから単純なものへ堕ちていく当時の見方のコペルニクス的転換と、多分枝の分類体系。生命の変化に関する説明は、付け足しみたいなもの。

ラマルクの「動物哲学」全3巻は1809年に上梓された。あいにくパリの博物学者としては不遇であり、この浩瀚な書物も同時代では評価されなかった。のちに「ラマルキズム」として再評価・復活させたのは、解説によるとエルンスト・ヘッケルであるという。そして「獲得形質の遺伝」というアイデアは20世紀にさまざまな追随者を…