エラリー・クイーン「シャム双生児の謎」(創元推理文庫) 法の通用しない限界状況ないし孤立した状況で、理性がどこまで世界のミステリ(神秘)に光を当てることができるかが問われている。

中学生のときに「国名」と「悲劇」のシリーズをひととおり読んだとき、もっとも印象に残った作品。再読すると、たしかに謎の規模は小さいし、複雑でもない。探偵のさえもない。そのあたりは、次のような推理を裏付けるかも。すなわち、1932年に「ギリシャ」「エジプト」とバーナビー・ロス名義で「X」「Y」を書いた。別名…