浅井香織「音楽の〈現代〉が始まったとき」(中公新書) 1848~1871年の第二帝政時代フランスの音楽事情。王宮、貴族の占有・ブルジョアの簒奪から大衆と労働者の消費へ。

フランスの音楽史を作曲や作品からみると、19世紀は妙に空白なのだ。18世紀には、ジル、カンプラから始まってラモー、リュリ、クープランなどの名が綺羅星のように現れるのに、19世紀ではベルリオーズとショパンを除くといきなり、サン=サーンス、フランク、フォーレらに飛んでしまう。とくに、第二帝政時代は何も記載がな…