青木やよひ「ベートーヴェン・不滅の恋人」(河出文庫) ベートーヴェンの創作意欲が高まるときは彼に恋人ができたとき、創作が減るのは金がないとき。

1826年3月26日にベートーヴェンが56歳で亡くなった時、唯一の資産といえる株券が見つからなくなっていた。部屋を探したところ秘密の引き出しから発見され、そこに日付と宛名のない手紙3通と女性の肖像画2枚もあった。手紙は熱烈な自筆の恋文(ただし、相手を落ち着かせようとするもので、将来の断念を予想させる内容)だっ…