筒井康隆「驚愕の曠野」(河出書房新社)

「おねえさん」が子供たちに本を読んでいるようだ。すでに大量にある本の半分は読み終えている。「おねえさん」が朗読する本を読者はいっしょに読む。 すでに332巻に達した書名の不明な本には、紹介なしに複数の人物が現れ、飢えや強盗、裏切り、とりわけ巨大な蚊におびえながら、旅の暮らしをしている。「影二」「小清」…