栗原俊雄「戦艦大和」(岩波新書) 海軍のメンツのために3056人が殺され、生還した276人と遺族は偏見にさらされ沈黙させられた。

戦艦大和のことは昭和40年代半ばに読んだ少年向け戦争ノンフィクションで知った。悲惨な結末に戦慄したが、その後あまりに痛ましくてきちんと調べ直したことがない。「太平洋戦争」の通史を読むと必ず言及されるし、沈没した船体を引き揚げるプロジェクトが報道されるなどして、記憶にひっかかってはいるものの、何とな…