odd_hatchの読書ノート
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笠原十九司「南京事件」(岩波新書) 当時首都だった南京が陥落すれば戦争が終了すると思い込んだ国民の熱狂が軍規が緩んだ軍隊を虐殺に導く。
南京事件の経緯は秦郁彦「南京事件」(中公新書)の感想に書いたので、それ以外のところを補足する。秦の本だと、アトロシティに注目が集まって、なぜ南京を攻略するのかが見えてこない。 単純化すると、前年の226事件で陸軍内部の抗争が終結。日独防共協定ができて北方の脅威が薄らぐ。政党政治が有名無実化して、軍部の…