バーバラ・ニーリイ「怯える屋敷」(ハヤカワ文庫) 家政婦は家族の探偵になれるが、雇用主の家族に観察されるので、公正な観察者になれない。まして黒人女性であれば差別を受ける。

家政婦は探偵なのだという妄想を小川洋子「博士の愛した数式」、筒井康隆「家族八景」で得た。その系譜に載るような小説を見つけた。バーバラ・ニーリイ「怯える屋敷」(ハヤカワ文庫)1992年。そして、自分の妄想はそのままでは通用しないということに気づく。 すなわち、家政婦と探偵は家族の中に入って、プライバシーに…