宇野弘蔵「資本論の経済学」(岩波新書) マルクス理論の形式化を徹底したら近代経済学に近づいた。なら最初から近代経済学をやればいいんじゃね、思考の節約になるし。

「資本論」の批判的な読みをしているからといっても、宇野弘蔵の「経済原論」を読む気にはなれなかったので、講演を基にし書き直した新書を選んだ。1969年初出。ながらく品切れだったのが2009年に復刊された。いくつか発見はあったものの、内容にはいささか失望。 1 『資本論』の経済学 ・・・ 資本主義を規制する三大経…