堀田善衛「広場の孤独」(新潮文庫)

時代は朝鮮戦争が開始され、まだ中国の介入はなかったが、その可能性が脅威とともに語られていた時代。あわせて、レッドパージが行われ、党員やシンパがいっせいに職場から追放された。一方、戦場が極めて近いことから日本の企業にはアメリカ軍の発注があいつぎ、忙しい時期になっていた。それがてこになって、戦後の不況…