新渡戸稲造「武士道」(ハルキ文庫) キリスト者が妄想した架空の武士道は、皇国イデオロギーを補完する。「武士道」は日本人の非道の言い訳と、国内の住民の統制に使われた

新渡戸稲造は、1862年生まれで、物心ついたときには明治政府が樹立していた。東京女子大学の総長になったり、国際連盟の事務局次長のひとりになったり、ユネスコのもとになる機関の設立に尽力したりの活動を行う。1932年は軍部批判を発表してさまざまな圧力を受け、渡米したのち1933年に客死した。一般には自由主義・個人…